〜 blancのひとりごと

読書の秋〜今読んでもちっとも古くない犬飼道子さんとSDGs

 

 

 

 
子供の頃の私に少なからず影響を与えたのは評論家でもあり小説家でもある犬飼道子さん。
 
 
2017年に96歳で亡くなられたが、未だに犬飼道子さんの書かれた本は新しい。
というより今より50年近くも昔から、現代社会が抱える諸問題を指摘し、具体的に活動されてきた。
 

 

子供の頃に読んで、凄い人だと思った数々の海外暮らしの本。
 
著書は多数あるが、子供時代に何回も読み直したのはこの4冊。
 
「お嬢さん放浪記」
「マーチン街日記」
「ラインの河辺〜ドイツ便り」
「セーヌ左岸で〜パリ便り」

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この連休で、また読み直してみたが今読んでも全く古くない。
 
「セーヌ左岸で〜パリ便り」では、ミニマリストに通ずる考えも見えるし(プチプラを使い回すのは違うけれど)、今国連加盟国が取り組んでいるSDGsに繋がる考えを当時から世間に発信していた。
 
というよりも、当時からそんな流れがヨーロッパにはあったのに何故今こうなってしまったのか。
読みながら考え込んでしまった。
 
昭和52年(1977年)初版の「セーヌ左岸で」の〝ゴミ・この世界の問題〟という章の中で、「このままの状態で、ゴミをつみ上げ、森を伐りこぼち、汚水で海を汚しつづけてゆけば(中略)、一読して身ぶるいの出る『運命の日』という書物は告げる。2020年までに人類はどこに住んでいても、窒息して死に絶える!」と書かれている。
 
今回の大規模な台風も地球温暖化のせいではないかと思う。
 
幸いなことにまだ人類は死に絶えてはいないけれど、このままでは地球が死んでしまうという危機感からSDGsという国連の開発目標ができた。
 
先日、髪を切った。
スタイリストさんは日本と海外の双方で仕事をしている30代後半。
かなり長いこと切ってもらっているが海外にもよく行かれるから、
「まさか移住して日本からいなくなったりしない?」と聞いたら、
「するかもしれませんね。」
「やっぱり、考えてるんですね。ちなみに移住するならどこですか?」
「ロスかバルセロナですかね。」
なんていう会話をした。
 
日本の人口減少による衰退は深刻で自分だけならばまだいい。ただ、これから結婚して子供を産もうと思っている。そのまだ見ぬ彼、彼女達の将来を考えると日本で育つことがいいのか(よくない)ということを考えているらしい。
 
分かる気がする。
 
東日本大震災の時に、
「日本人は必ず復興する」と日本株に大量投資した投資家が今は、「2020オリンピックの後、日本は破綻する」と日本株を手放したらしい。
 
オリンピックの誘致も失敗という意見がある。
 
私も個人的に反対だった。
私1人が反対しても何の影響もなく、日本にオリンピックはやってくる。
 
これだけ、自国の足元が危ういのにそんなことをしている場合なのだろうか。
オリンピック誘致より他にもっとすべきことがあるんではなかろうか。
 
台風であんなに大変だったのに、その翌日はラグビーで盛り上がっていることにも若干違和感。
(私は今回ラグビーは見ていない。おそらく戦時中なら非国民。)
 
私が被災地にいたならそれどころじゃないし、多分ラグビーを見ても元気はもらえない。
もちろん、もらえる人もいるだろうけれど。
 
 
私のヨーロッパ志向は、こういう書物によっても育まれたわけだけれど、環境問題だけではなく当時のヨーロッパの暮らしぶりは憧れだった。
 
よいものを長く使う。代々受け継いでゆく。
時代も変わったから、今もそうかは分からないが、祖父母が結婚した時の70年前の食器を譲り受けて、それがたった1枚欠けても注文すれば補充がきく。
 
日本とは気候や風土、文化が違う中で培われてきたヨーロッパの暮らしぶりが子供心に羨ましかった。
やっぱり、小さな島国と大きな大陸では物事を考えるスケール感が違うのだろうか。
 
長くなったが、人によってはカタイ内容と思うかもしれないけれど、子供の私でも面白く読めて、昔のヨーロッパの暮らしぶりを窺い知れる本だと思う。
 

 

 

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