稚内から南下するルート選択。
北上はオホーツク海側だったので、南下は反対側のオロロンラインを使い、一筆書きのコース予定だった。
しかしながら、晴れてはいるものの利尻富士は見えそうになく、南下する際に寄る場所を思いつかなかった為、再びオホーツクラインとエサヌカ線を南下して大雪山方面に向かった。
エサヌカ線は、猿払村(さるふつむら)の村道である。
猿払は何回も通っているホタテの村。
初めて猿払村に行った時に知ったのは、私が好きな横浜の崎陽軒のシュウマイには、ここ猿払村のホタテが使われている、ということだった。
猿払村は北海道でも有数のホタテ水揚げ量を誇っている。
ツアーで「ここのホタテのほとんどはある街に届けられていますが、どこでしょう?」というクイズが出て正解したのだ。答えは横浜。
私の中で、崎陽軒のシュウマイ=ホタテという式が刷り込まれていた為、迷わず答えたら正解したのだ。
話をエサヌカ線に戻す。
北海道の最北端稚内市から、40kmほど南下したところにエサヌカ線の北端がある。
2つの90度のカーブ(つまりは直角、クランク状)がある他は直線が16kmにわたり、続いている。
周りは見渡す限り、ほぼ何にもない。
安全を逐一確認しながら、写真を撮った。
時折、車がいたが、1〜2台くらい。
人もいなくて、不思議な世界だった。
稚内市に向かい、北上した時は夕暮れ時で鹿を2頭見た。月が出始め、とても美しかった。
翌日南下した時には明るい曇りでオホーツク海側は青空があったが快晴ではなかったので、また晴れた日に走るのもいいかもしれない。
今までは海側の道路で北上していたので、初めてここを通った。
エサヌカ線が終わり、海岸線に戻ると春色の海が穏やかに広がっていた。
何にもない静かな道をドライブしているだけで、幸せな気持ちになった。
しばらく走り続け、興部(おこっぺ)にあるノースプレインファームに到着した。
前に行ったことがあり、もう一度行ってみたかったのだが、遠いのでなかなか訪れる機会がなかった。
ランチの終わりギリギリに到着したにもかかわらず、とても親切だった。
ファームの中にミルクホールという直営ショップがあり、ここで食事ができる。
まずはミルクを注文。
ピッチャーでグラス3杯分ちょっと。
まろやかで、濃厚というよりはあっさり目な気がした。普通に美味しい。
あとはハンバーグを注文。
私は3ヶ月以上熟成のチーズのせ。
こちらも美味しかった。
ジューシーで、ふんわり柔らかというよりは、柔らかいけれどしっかりした感触がある、そんな感じ。
そして、デザートは興味はないのでいつもは食べないのだが、せっかく来たので、ミルクアイスとフローズンヨーグルトを注文。
ミルクアイスは私には甘かった。
この2つならば、フローズンヨーグルトが好み。
ミルクアイスよりバニラアイスが好きなのかも、と思った。
年々甘いものが苦しくなり、やはり1つ1個は多かった。
そもそも普段冷たいものを食べないのに、今回は珍しい。
一夏にまったく冷たいものを食べないことも普通なので、1年分の冷たいものを食べてしまった感がある。
あれこれ書いたが、ノースプレインファームのミルクアイスもフローズンヨーグルトもシンプルにあっさり目で、美味しかった。アイスも甘かったと書いたが、私は、たいていのものは甘くて辛いので仕方ない。
ミルクアイスはプレーンだけではなく、生キャラメルがかかったものなどトッピングも選べる。
乳製品が好きなら一度訪れてもよいかもしれない。
食事を終えて、奥のイベントスペースに行く途中の通路の外に桜が見えた。
外に出るドアには関係者だけしかこの先はいけないようなことが書いてあったので覗いていたら、イベントスペースから歩いて来た男性が「どうぞ見てください」とのこと。
でも「立ち入り禁止みたいで」と躊躇していると、ドアを開けて、桜を見せて下さった。
あとから分かったのだが、ノースプレインファームの社長さんだったようだ。
背が低い木で千島桜だった。
ソメイヨシノより、花が小ぶりで可憐。
「今朝、咲いたんですよ。」と説明され、ちょっと嬉しくなった。
社長さんは4代目だそうだ。
とても親切で気さくで感じのいい方で、時間があるならば、と牛などを見せて下さった。
いろいろ説明を伺っているうちに産まれたばかりの仔牛も見せてもらった。
3頭いて、そのうち2頭は双子だった。
雄なので、搾乳できないからすぐに売られてしまう運命らしい。
かわいそうだか仕方がない。
ノースプレインファームでは、もともとあまり化学肥料を使わずに牧草などを育てていたそうだ。
無化学肥料、無農薬で8年以上牧草を育て、3つの有機JAS認証を取得されている。
社長さんから、奥のイベントスペースも良かったら見て行って、と勧められて立ち寄った。
和寒のカフェの方が出張でコーヒーを出されていたが、その場所に古びた風情の木の蓋物があり目にとまった。
聞いてみると先週までハンガリーやウィーンなどを周っており、その蓋物はハンガリーの古いものだという。
ハンガリーの古い木箱類に造詣が深くなかったので、よく分からないが普段に使うのに手頃でいいなと思った。
実家にも、私のライティングビューローにも合いそうだ。
実家にいる間の時計やアクセサリー置きにいいなと思い、迷ったが買ってしまった。
早速使っている。
木製のものが好きである。
先日記念品でいただいたアクセサリー入れがそろそろ寿命を迎えたので買い換えて連休終わりに届くはずだが、それも木製にした。
木のぬくもりは癒される。
人工的なものより自然が好き。
次の旅でもまた自然と触れ合う機会を持とうと思う。
参考:ノースプレインファームのオンラインショップ
North Plain Farm-ノースプレインファーム オフィシャルショッピング