突然の訃報を受けて、スーツケースにとりあえず必要と思うものを放り込んだ。
喪服、バッグなどはその週の頭にやはり不幸があって使ったばかり。
保管場所も決まっているから、すぐに整った。
どのくらい帰れるか分からないし、何をするかも分からない。
とりあえず、
- 白いニット2枚
- 白いカーディガン
- 紺のカーディガン
- 紺のボトム(白いストライプ)
- ベージュのカーディガン
- 淡いピンクのスカート
紺のニットも持参したかったが、洗濯直後で乾いてなかったから断念した。
ボトム以外が全て無地。
デザインもシンプル。
柄物は夏のワンピース以外はあまり持っていない。基本無地。
結局、紺と白しか着なかった。
悲し過ぎて、着るものなどどうでも良かった。
白と紺の何の変哲もないスタイルは心が落ち着いた。
その他には、黒いもの。
- 喪服
- 喪のバッグ(数珠・袱紗)
- ストッキング/黒(2足)
- コート/黒(ボタンが比翼で外に出ない形もシンプルなもの)
- ストール/黒と銀糸の地模様
- パンプス
- ショートブーツ
が必要だった。
喪服とバッグとパンプスを放り込んだ。
喪服はそれなりのものを買ったからか、スーツケースに入れてもシワひとつなくしゃんとしていた。
【選ぶ】長い間着られる喪服を選んだ時の基準 - Fully enjoy!Single Life〜シングルを謳歌する暮らし〜
ストールはカシミヤ&シルク。
買ってもう20年近くなるが長い期間を経ても、しゃんとして美しい私のお気に入り。
北海道にいた頃出番が多くよく使っていた。
黒は好きではないけれど、揃えている。
移動のバッグは、夏に大人買いしたロンシャンのネイビーが、黒い喪のバッグもすっぽり入り大活躍だった。
荷造りして、家を出るまでバタバタ。
連絡が来てから、新幹線をとり、電車を調べ、荷造りして家を飛び出るまで20分ちょっとしかなかった。
しかも最初の数分はショックであまり身体が動いていなかった。
やはり慌てていたのか、そんなにいらないタイツが3足も入っていて、逆に靴下が足りなかったし、今思えば部屋着とナイトウェアを入れるべきだった。
普段着ているものがあった方が余計なストレスがない。
ミニマリストではないけれど、短時間で家を飛び出ることが可能だったのは、モノのテイストを揃え、定番の色にしておいたからだと思う。
どれとどれを組み合わせても、無難なデザインだから合わせられる。
シンプルな定番ものは万能だ。
(あとは「お財布とiPhoneさえあれば何とでもなる」という割り切り。)
Sは物欲があまりなく、着るものもいつも同じ雰囲気で、それが安心だった。
奇抜なものは好まない。
色が白くブルーが似合った。
セーターを贈っていたが、暑がりなのでそのうちに、シャツを贈るようになった。
山に行く時、街中を歩く時で着るアイテムも決まっていた。
アウターとシャツにボトム。街中では、アウターはジャケットになった。
定番を求めるようになったのは、この本の影響が大きい。
今読んでもきっとワードローブの基本的な指針になると私は思っている。
普段黒は着ない。
この1週間、今まで出番がなかった期間を取り戻すかのように活躍した。
全く嬉しくもない出番だったけれど、やはり黒は出番がなくても必要だ。
悲しい時に、元気な色を着るのもいいかもしれない。
でもご遺族の気持ちを察すれば、地味な色味がやはり人を悼む気持ちに相応しい気がする。
紺は改めて私にとって、万能な色だと再認識した。
もう少しで春なのにまだ明るい色を着る気になれずにいる。