〜 blancのひとりごと

【旅立ち】心の傷を磨く長い長い旅

 

 

 
大切な大切なかけがえのない人が、突然いなくなりました。

 

誰にも迷惑をかけないその人らしい立派な最期でした。

最期まですばらしかった。

私もそんな風に最期を迎えたい。
 
地元を離れてちょうど10年目。
大切な人達と離れて暮らすことを選択した過去の自分の判断を後悔しました。
 
20歳で出会い、それからずっと私をそばで支え、周りの人をたくさん幸せにしていた人。
 
存在が当たり前過ぎて、そして大き過ぎて、遠く離れて暮らしていたのにとてつもない喪失感が私を覆っています。
 
離れていても毎日電話で話していました。
『またかけるね。』
私がその人に最後に話した言葉。
 
こんなことになるなら、最後の言葉は、
『ありがとう。』にしたかった。
 
『ありがとう』はよく伝えていたつもりだけれど、もっともっと伝えたかった。
 
シャイな人だったから、名前を読んでもらったことはほぼない気がする。
私も『大好き』という言葉や『愛してる』という言葉では伝えていなかった気がして、そのことをとても後悔している。
 
写真を撮られるのが好きじゃなくて、私もそうだから、よく出かけた先で『お撮りしましょうか』と言われても、断っていたから2人でいる写真がほとんどなくて、それも悲しい。
 
とても人望があって、前に前に出るタイプではないけれど、絶対的な安心感と絶対的な信頼感があり、温和でいつもニコニコしていて、男らしく、不言実行。 表のリーダーではなく影のリーダータイプだった。
義理堅く、思いやりがあって、人の為にいろいろしても、それが程よく押し付けがましくない。
本もよく読んでいて、いろんなことを教えてくれた。
たいてい、その人の言うことは正しいから、何か言われると『そっか。そうよね。』とストンと腑に落ちて楽になった。
器用だったから、運動も何でもうまかった。
ユーモアもあって面白かった。 
人の悪口も全く言わない。
人の手を煩わせず、人に迷惑はかけない。
用意周到だから、どこに行くにも安心だった。
思慮深く、思いやり深く、決して弱さを見せず、強くて人に対しては寛大で優しい素晴らしい人だった。
強いから人にたくさん優しくできるのだと思っていた。
 
失ってから、こんなことを思っても本人はもういない。
 
私が心から尊敬し、敬愛していたことをその人は分かってくれていたかを考えると、そして、助けてもらってばかりで何を返してあげていたかと思うと、後悔で苦しい。
 
そう。
 
してもらってばかりだったから苦しいのだと思う。 
私からその人にしてあげられたことはあったのだろうか、と考えると思いつかず苦しい。
 
 
何かしてあげたくても、
『大丈夫』『平気』
いつも私が優先。
私がこうして欲しいなということを、何にも言わなくてもしてくれて、その人といると快適だった。
1日過ごすと『楽しかった〜』という気持ちに満たされた。
 
夜電話をして話すと、安心感でそのうち私が寝てしまう。
私が寝るのを待って切ってくれていた。
よく『20分くらい待ったけど静かになったから切ったよ。』などと言われていた。
 
私のことをとても大切にしてくれて、
その人の家族と友人はもちろん私の友達や家族までに分け隔てなく優しさを与えてくれた人。
 
たまには辛いこともあるかと『何かストレスとか辛いこととかない?』って聞いても、
『ないよ。どこにあるの?』
絶対に言わないから、そのうち私も聞かなくなっていたけれど、私がよく見ていたら聞かなくても分かっただろうか。
 
モノを大切にする人でもあった。
私があげたものを大切に使っていたことがとても嬉しく、でも余計に悲しかった。
地元の街頭でもらったポケットティッシュ。多分15年くらい前のもの。
まだ未開封で部屋にあった。
私が『いらないけど、いる?』とかなり昔にあげたモノも使っていた。
 
半纏が大好きで、かなり長いこと愛用したものをお母様が袋にリニューアルしたものをとても嬉しそうに使っていた。
好きなものを長く使うところも、私と気が合っていたと思う。
 
モノを買わない人で、好きなものは吟味して買うけれど、無駄なものは買わない人だった。
ようやく新しい山の靴を新調したばかりだったのに。
 
その人と行きたい場所、したいことがたくさんあった。その人とでなかったら、つまらない。
欲しいものがたくさんあったはずなのに、今はその人がいてくれたらいい。
 
私の楽しく幸せな暮らしは、その人の存在の上に成立していたことに改めて気がついて、今その基盤がなくなって、不安が募る。
 
その人のことを忘れたくなくて、ノートを買って書くことにした。
その人が好きだった青色にした。

辛いけど書くことが楽になると、何かで読んだから。
 
江原啓之さんが『心についた傷は磨かれて素晴らしくなる』というようなことをおっしゃっていた。
 
今はその人がいない世界が受け入れられず、考えたくもない。
でも、悲しみに浸る自分は好きじゃない。
 
私の心には今深く大きな傷があると思うけれど、ここに立ち止まらないで、
ゆっくりその傷を磨く旅に出よう。
 
その人だったら、私にどんな言葉をかけてくれるかを考えながら。
 

 

 

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