「安物買いの銭失い」。
子供の頃から、中途半端なものを買うと、親に言われた。
「もっと良く考えて、必要ならば良質なものを買いなさい。」
だから値段よりもまず「いいものかどうか」が気になってしまう。
友達に、「高いものが好きだよね。」と言われたことがある。
いつも高いものを選ぶというのだ。
「それは違う。」と当時は思った。
良いものを選ぶと、結果的に高くなることが多いだけ。
良いものが安いならば、それはそれでラッキーなことだ。
その時は「高いものが好きなわけではないのに」と思ったが、「高いものが好き」なことは悪いことなのだろうか?
「それは違う」と当時は思ったけれど、違わないかもしれない。
良いものには、ときめくものも入る。
ときめいたら、やはり価格は関係ない。
価格は関係ないので安くても気に入れば買うけれど、たいてい安かったものはすぐに劣化してしまう。
例えば、私はストールが大好きで結構持っている。
当然お気に入りのモノしか持っていないけれど、素材によって異なるが1枚だいたい5万円くらい〜8万円くらいする。人によって高く感じるかもしれない。
私も最初に買うときはちょっと高いかなと思ったが、どうしても欲しかったので買った。
使ってみたら良かったのでそこから買い足していった。
つまり、ストールに出すお金の基準が変わった。
使ってみて、そこまで出したくないと思ったら変わらなかったと思う。
これらのストールは確かに安くはない。しかし、長持ちする。
一度、色が気に入って百貨店の1階の売り場で買ったカシミヤストールは一冬で毛玉が目立ってしまった。
一方で、愛用のストールはまだまだきれい。
10年以上余裕で使っているから、1年にしたら1万円をきっている。
多分よほどのことがない限り一生使えると思う。
トータルで考えたら、数年で買い替えるより安い。
長く使うのは、高くてもったいないからではなく、気に入っているから。
そしていい状態を保てているからだ。
良質なものが安いのが一番いいが、たいてい良いものは高い。
そして、良質なものはネットで買うことは少ない。
お店に行って買うことになり、そういう品物はセールにはならない。
だから、セールで買うこともないので、定価でものを買うこと損だとも思わなくなる。
このことは、いろんな意味でいいことだと思っている。
- いちいちお得かどうか気にする必要もない
- より安く買うための労力と時間がいらなくなる
- 価値に対してお金を払うことが当然と思う体質になる
- 好きなものを買う時に価格を基準にしないで買うことができる
定価で買うことは損ではない。
これが当たり前になったら、思った以上にいろいろ自由になる。
もちろん、絶対にセール品を買わないと決めているわけではない。
中途半端なものでも長く愛用することだってある。
ただ愛用品のほとんどは、値段ではなくときめいたもの、良質なものだ。
このクリスタル(星型)を買った時のこと。
一緒にいた友達は私に言った。
「クリスタルって高いね。ただの置物にそんなに払うの?」
この星型のクリスタルはとても美しい。私は毎朝これを眺めてとても気持ちがいい。だから高いと思わない。
かわりに私は彼女が同じくらい出して買う別の物を買っていないだけだ。
*関係ないが、バカラはクリア(透明)はともかく色がついた商品は、お店で見たほうがいいと個人的に思っている。個体差があるから同じ赤でも一つ一つ微妙に違うからだ。でもその微妙な差がどうでもいい場合は、ネットで買ってもいいかもしれない。
価値観が違うだけなのだ。
そして、価値観の違いがあるは当たり前。
価値観が合う部分もあって、私は彼女と仲良しだ。
価値観が違うと、自分の知らない世界を見ることができて、それはそれでいいものだ。
当然、価値観にはこれが正解、正しいということがない。
価値観は人それぞれ。
長く使うより最新のもの、流行を追いたい、とにかくお得に買いたいという価値観もその人がそうしたいならいいのだ。
自分の価値観を大切にすることが重要なだけだ。
定価で物を買う。それは決して損ではない。それが、私の考え。
価格の高い安いを一度離れて物事を見てみると、自分の価値観がより明らかになると思う。
人は人。自分は自分。
親も他人。自分ではない。
自分の価値観を大切にしたい。